アフガニスタン帰還民:生活再建への苦闘 

2021年にアフガニスタンで起きた政権交代により、二児の父であるエイディ・モハマドさん(32歳)は、これまでの仕事と収入を突然失ってしまいました。日雇い労働者だったため、就労の機会は瞬時になくなり、妻と8歳の娘ハシバ、3歳の息子エドリスの家族を養うことができなくなってしまいました。経済的な負荷がかかるなか、彼はより安定した生活を求めて隣国イランへ行くという苦渋の決断を下さざるを得ませんでした。 

2025年11月、村の灌漑用水路の整地作業を仲間とともに行うエイディ・モハマド(UN-Habitat/Shirin Nikzad) 

「村では仕事がまったく見つからなかったので、2021年に家族とともにイランへ移りました」と彼は振り返ります。「道のりはとても過酷で、危険でした」。彼は家族とともに、見知らぬ目的地を目指して何日も歩き続けました。 

イランでは建設作業の仕事を見つけることができ、娘を学校に通わせることもできました。「1日あたり約80万イラン・トマン(約6米ドル)を稼ぐことができたので、生活は比較的安定していると感じていました」と彼は語ります。非正規滞在者としての生活は容易ではありませんでしたが、数年間は家族の生活を守ることができました。 

しかし、その後も試練は続きました。イランとパキスタンの政府は、非正規に国内に滞在しているアフガニスタン人を、長年の紛争と経済の低迷に苦しむアフガニスタンへと帰還させる政策をとりました。国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、2025年だけで約280万人のアフガニスタン人が強制的に帰還を余儀なくさせられました。エイディさんもその一人でした。 

イランとアフガニスタンの主要な国境検問所であるイスラム・カラでは、彼の家族は援助団体から緊急支援を受けることができましたが、帰郷後すぐにまた新たな困難が待ち受けていました。ヘラート県ジンダジャン地区にある彼の村では、2023年に起きた地震により土壁でできた実家(父親の家)が倒壊しており、家族の住む場所がありませんでした。 

エイディさん一家のように、長年にわたる紛争や避難生活、基礎サービスへの限られたアクセスによって、多くの家族が現在、帰還後の生活再建に苦しんでいます。たくさんの人々が移住と帰還を繰り返し、将来にわたる不安を抱えています。 

アフガニスタンに戻った後、エイディさんは数か月間仕事を探し続けました。他の帰還民と同様に、地域に暮らす多くの求職者たちとともに働き口を求める日々が続きました。それでも彼は、地元で就労の機会が見つかることを信じ続けました。 

その機会が訪れることになったのは2025年10月、日本政府が国際協力機構(JICA)を通じて支援する国際連合人間居住計画(国連ハビタット)の「キャッシュ・フォー・ワーク」プログラムの存在を知った時のことでした。この活動は、2023年に起きたヘラート地震からのより良い復興を支援するプロジェクトの一環として行われました。 

この活動では、灌漑用水路の清掃、ごみの除去、道路の整地といった地域の重要なインフラ修復を支援しながら、参加者に一時的な就労の機会が提供されました。 

「初めて自分の村で働き、誇りを持って収入を得ることができました」とエイディさんは語ります。 

彼は44日間で合計15,400アフガニ(1日あたり約5米ドル)を稼ぎ、家族のために食料や生活必需品を買うことができました。 

「自分の村で働いて賃金を受け取れるなんて夢のようでした」と彼は言います。「仕事がなくて希望を失いかけていましたが、この活動に参加できたことで、たとえ短期間であっても、再び心に希望を灯すことができました」

作業着姿のエイディ・モハマドと娘ハシバ、息子エドリス(2025年11月、UN-Habitat/Shirin Nikzad)

国連ハビタットによるコミュニティを中心に据えたアプローチを通じて、エイディさんのような帰還民たちは、短期的な生計支援へのアクセスを得ているだけでなく、地域の優先課題の特定と解決にも参画をしています。これにより、地域住民の主体性が強化されるとともに、復興と社会統合が進められています。 

キャッシュ・フォー・ワークによる生計支援は短期的なものでしたが、エイディさんは尊厳と希望を取り戻すことができました。「これからも仕事を探し続けます。家族を養うことが最優先です」と彼は話しています。 

アフガニスタン全体で、エイディさん一家のように多くの人々が依然として貧困と不安定な暮らしに直面しています。人道ニーズ対応計画(HNRP)2026によると、アフガニスタンの人口の約65%が多次元貧困の状態にあるとされています。限られた雇用の機会と脆弱な経済状況が、帰還民の生活再建を依然として困難なものにしています。

twitterでシェア facebookでシェア
twitterでシェア facebookでシェア
top