国連ハビタットの事務局長、ケニア国ナイロビ市に着任

2024年8月12日、ケニア国ナイロビ市国連ハビタットの新事務局長アナクラウディア・ロスバッハ(ブラジル出身)が、2024年8月12日付でケニア国ナイロビ市にある国連ハビタット本部に着任しました。国連総会は、国連事務総長の指名を受けて、2024年6月にロスバッハを国連人間居住計画(UN-Habitat)の事務局長に選出しました。

「効率的であり、かつ、私たちが既に持っている知識や専門性を世界に向けて十分に活用できるような、強力でしっかりとした国連ハビタットを構築するために、適切な連携関係やネットワークを確立することが、私の任期中には重要になると考えています」とアナクラウディア・ロスバッハは述べました。

「私たちはコロナ・パンデミックから抜け出したばかりです。多くの紛争に直面しています。また、災害はますます頻繁に発生し、影響もますます大きくなっています。世界的な住宅危機は、さまざまなレベルですべての国に影響を及ぼしています。しかし、私は楽観的です。私たちは、特にグローバル・サウス[i]に影響を与える根本的な変化を促進できます」と彼女は続けます。

ロスバッハは、インフォーマルな居住地、土地、都市政策を含む住宅問題に20年以上携わった経験を持つ経済学者です。就任前は、南米・カリブ海地域においてリンカーン土地政策研究所の長でした。2014年から2022年まで、彼女は都市同盟(Cities Alliance)で南米・カリブ海地域の地域マネージャーを務め、知識の移転や交流を促進し、また、グローバル・サウスにおける住宅・都市政策に関する政策助言に従事しました。さらに、都市開発や住宅に携わる専門家、実務家、研究者のネットワークである都市住宅実務家ハブ(UHPH)を設立しました。2020年と2021年には、新型コロナウイルス感染症のパンデミックへの対応として、インフォーマル性に関するグローバル・プログラムを主導しました。

ロスバッハは、2016年にエクアドル国キト市で開催された第三回国連人間居住会議(ハビタットIII)で都市政策に関する世界的な議論に貢献し、また、COP(締約国会議)や世界都市フォーラムを含むすべての主要な国連の会議で発言してきました。彼女の学術的活動には、多数の出版物、大学院での教鞭、住宅と都市計画に関する専門家トレーニングコースが含まれます。

アナクラウディア・ロスバッハは、2018年から2024年まで国連ハビタットの事務局長を務めたマレーシアのマイムナ・モハメド・シャリフの後任となります。

国連総会は、決議56/206で国連人間居住センターを国連人間居住計画(UN-Habitat)に改組することを決定しました。また、国連ハビタット事務局は、事務次長レベルの事務局長が率いること、事務局長は加盟国との協議後に国連事務総長が指名し、国連総会が4年間の任期で選出することが同決議で決定されています。


[i] インド・インドネシア・ブラジル・南アフリカ等、主に南半球に位置する途上国・新興国の総称。

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